こんにちは。
2024年11月2日土曜午後3時5分~4時20分(75分)にNHK総合で再放送された「ライジング若冲 天才かく覚醒せり」の感想です。
2021年1月2日に正月時代劇として放送されたドラマ。
源孝志さん脚本・演出、中村七之助さん、永山瑛太さんのW主演、江戸時代の天才絵師・伊藤若冲(中村七之助さん)と禅僧の詩人・大典顕常(永山瑛太さん)の絆、そして若冲の代表作の一つ「動植綵絵」の誕生の秘話を、大胆な仮説に基づいて描かれた作品です。
※ここから書く感想部分にはネタバレが含まれますので、まだ視聴されてない方は読む読まないの選択をお願いいたします。
おもしろかった!
中村七之助さんの眼の表現がもうすばらしすぎて!
普段のやわらかい目から、絵に向かう時にがらりと変わる狂気さえも感じるまなざし。大典を見つめる穏やかながら熱を帯びたまなざし。うっとりするほど美しかった~。
絵を描く時も舞っているかのようなしなやかな動きで、見とれてしまいました。
大胆な仮説によって描かれた若冲と大典との関係には、にやにやしちゃいました...。BLものが特に好きというわけではないんですけども。
一人で大興奮してしまったのが、完成した「動植綵絵」の前で若冲と大典のお互いの思いを確かめ合う場面。
「友として」と言った後に「死が二人を分かつまで」なんてLOVE♡全開のセリフが大典の口から発せられて、「どっちなんだい⁉」となかやまきんに君化しちゃったり。
見つめ合う二人の間に映る絵が白鳳の羽根にハート♡が描かれている「老松白鳳図」で、二人のLOVEがもりっもりに甘~く演出されていて、もきゃー♡となってしまったり。気持ちの悪いことを書いてしまいました...ごめんなさい...。
「友」と言いながら直接的なわかりやすい愛の表現の数々にちょっとびっくりもしましたが、心の中でなかやまきんに君が大暴れしてしまうくらい楽しませてもらいました。
歌舞伎を思い起こさせるような音楽や演出もおもしろかったです。
七之助さんが「桝屋源左衛門」と名乗るところの音とか、物語終盤、若冲に「歌舞伎とは縁がない」なんてセリフを言わせたかと思えば、中川大志さん演じる円山応挙に見得を切らせたりと、遊びの部分もあって楽しめました。
「動植綵絵」と「釈迦三尊図」をろうそくの明かりで暗闇に浮かび上がらせていくシーンは特に美しかったです。
ろうそくの明かりだけでは暗いので照明が足されていますけど、絵が浮かび上がっていく様はまるで、描かれている生き物に命を吹き込んでいく、命の火を灯していくかのように感じるすばらしい演出だったと思います。ステキだった~。
旅に出る大典が若冲を抱きしめながら流す涙も本当に美しかったし、中川大志さんも大東駿介さんも門脇麦さんも石橋蓮司さんも魅力的だった。うずらも鶏もかたつむりも生き生きとしていてきれいだった。
ドラマに使われていた絵はレプリカですけど、生き物のきらめく命の瞬間を切り取ったような若冲の絵の色彩の美しさを感じることができたように思います。若冲の絵を自分の眼で見てみたい。いつか展覧会に行くぞ~。
天才絵師・伊藤若冲とその最大の理解者・大典顕常、二人の絆を描いた、堅苦しくない気軽に楽しめるエンターテインメント作品だったと思います。おもしろかった!
それでは、また。