だらけかあさんの楽観日記

だらけた日々にしあわせを

ドラマ「silent」第7話感想 奈々の夢が想の夢の中で叶う

こんにちは。

2022年11月17日木曜日に放送されたドラマ「silent」第7話の感想です。

www.fujitv.co.jp

第7話の心に残った、好きなシーンについて書いています。

あらすじは書いていません。

感想部分にネタバレが含まれますので、まだ視聴されていない方は読む読まないの選択をお願いいたします。

 

 

もしよろしければなんですが、スピッツの「つぐみ」を聴きながら読んでいただけると嬉しいです。


www.youtube.com

スピッツ つぐみ 歌詞 - 歌ネット

第7話は、桃野奈々(夏帆さん)の恋の区切りと青羽紬(川口春奈さん)と佐倉想(目黒蓮さん)

の心の距離と心が通じ合うところが描かれました。

スピッツの「恋のうた」か「恋は夕暮れ」を載せたかったのですが、公式のYouTubeでは配信されていませんで。

スピッツ 恋のうた 歌詞 - 歌ネット

スピッツ 恋は夕暮れ 歌詞 - 歌ネット

どちらもすごく好きな曲です。

「つぐみ」は「愛してる」と大切な人に伝えようというストレートな言葉のある美しいメロディの曲。

「silent」第7話にはあんまり合わないかもしれませんが、大事な人を思うストーリーの「silent」にぴったりな曲だと思います。たぶん。

 

それでは本題の心に残った、好きなシーンについて。

 

ドラマ「silent」第7話 心に残った、好きなシーン

「silent」第7話はすごく好きな回です。

好きなシーンが多すぎて、4000字越えと文字数もいつもより多くなっちゃいました。

紬と想の距離が一度は離れるものの最後にぐっと縮まった回。

そしてやっぱり夏帆さんの表現力はすんごいですね。表情だけで感情が伝わってくる。そして本当に美しい。

 

本を返しに来た奈々

想に借りていた本を返しに来た奈々。

本を入れた紙袋をドアノブにかけて立ち去ろうとした時に想が帰ってくる。

そこでの奈々の想への言葉が優しくて温かくて。

振らなくていいよ

振った側って悪者みたいになるでしょ?

勝手に好きになられただけなのに

想くんは今までもこれからもずっと友達

悪者になろうとしなくていい

大丈夫

手話の字幕引用:「silent」第7話

この考え方はすごい。

奈々は想にきちんと振ってもらって気持ちに区切りをつけると思っていたのですが、相手の気持ちを想像して思いやることができる、とても強くて優しい人だった。

こういう考え方ができる人だから、後のシーンの紬とのやり取りもできたんだと思います。

想に意地悪なことを言ったりもしていたけど、最後には想も紬も悪者にしない。

そしてそういう奈々の気持ちの変化を夏帆さんが丁寧に美しく演じられていました。夏帆さん本当にすんごい。

 

中途失聴者である想が声を出さないことに対する聴者の疑問

安井順平さん演じる想の仕事関係の人や紬が疑問に思った「どうして声を出してコミュニケーションを取らないのか」ということ。

二人とも声を出してほしいと思っているわけじゃない、悪気の無い純粋な疑問なんだと思うんですけど、想は傷つくわけで。質問した側も傷つけたことをすぐに気付いて謝るんだけど。

 

「silent」第1話が放送された時に、中途失聴者の想が声で話さないことに関していろいろな声があって。

私はへらへら生きている聴者なので想が声ではなく手話で話したことに違和感を全く感じなかったのですが…違和感を感じる感じない以前のレベル…。

ドラマのこの後のシーンで真子(藤間爽子さん)に紬が言うセリフ

もともと聞こえてた人だと声で話す人が多いらしくて

普通は声で話すって 手話使わない人が多いって

真子「普通ねー」

多いってだけで、それが普通なんだって思い込んじゃって

それで佐倉くんなんでなんだろうって気になって聞いちゃって

少ないっているってことだもんね。いるよね、いるのに

セリフ引用:「silent」第7話

「少ないっているってこと」

この一言に尽きる。

自分の周りにいない、自分に見えないからって存在しないものとして扱うのはいかんなと改めて思いました。

私は視野が狭い人間なので、気を付けなくては。優しさ主成分の湊斗(鈴鹿央士さん)になりたい。

 

食器が割れる音で二人の世界の違いを表す

紬が想に声を出さない理由を聞いたことでお互いに距離を感じているところに、食器が割れる大きな音が鳴り響く。

音にびっくりする紬と聞こえない想。

でも、紬の態度で振り返った想も食器が割れたことに気付く。

聴者とろう者の世界の違いを浮き彫りにしたシーンでした。

 

紬と奈々のやり取り

このシーンはすごく好きで。

紬のまっすぐなところが出ていたシーンだと思います。

ちょっと長いけど、紬の手話の字幕を引用します。

佐倉くんから奈々さんのこと聞きました

話を聞いてくれる人と言ってました

誰かに話を聞いてほしかったときに出会って

不安とか悩みとか全部聞いてくれたって

あの頃奈々さんに出会わなかったら

生きてこれなかったって言ってました

音がなくなっていくのは悲しかったけど

音がなくなってからも悲しいだけじゃなかったのは

奈々さんがいてくれたからって

・・・(略)・・・

私はこの8年ただ元気にしてるかどうか

それだけずっと心配でした

また会いたいとかより

とにかく毎日誰かと笑って過ごしてほしいって

それだけ願ってました

だから佐倉くんの側に奈々さんがいてくれて本当によかったです

佐倉くんが一番そう思ってます

ありがとうございました

手話の字幕引用:「silent」第7話

今の想を受け入れるってことは奈々との3年間も丸ごと受け入れること。

そういう紬のまっすぐな気持ちが川口春奈さんの手話にのってこちらにも伝わってきました。

奈々の思いも紬の思いも、嫉妬し合うねとねとした関係じゃないところがすごく好きです。

「羨ましい」「憧れる」という気持ちを「妬み」「恨み」に変えないって難しいことなんだけど、自分の心を守るためにも大切なことですね。

 

そして、カフェの最後のシーンで奈々が持っている本について二人が会話をするんですが。

想の読んでいる本を紬が「私には難しかった」と言うと奈々も「私も」という。

好きな人(想)が読んでいる本を読んでみたけど、難しかったという二人の似ている部分。

この二人の共通点が描かれているのも良かった。

奈々が持っている本は峯澤典子さんの詩集「微熱期」です。

峯澤典子さんご本人もTwitterで「silent」で登場したことについてツイートされていました。

峯澤典子さんはnoteに詩を載せていらっしゃるので少しだけ私も読んでみました。

note.com

詩作品をまとめてくださっています。

note.com

なかなかに難しかった…私も紬と奈々側です…。またじっくりと読んでみたいと思います。

 

想と奈々の図書館のシーン

図書館で想が男の子から本を取ってとお願いされるシーン。

どの本かわからなくて、男の子を抱っこしてどの本か教えてもらう。

その光景を見ている奈々の愛おしくてたまらない人を見る表情。そしてそんな奈々を見て愛おしくてたまらないと思っている私…。

このドラマは紬と想が主人公なんだけど、湊斗や奈々などの他の登場人物たちもちゃんと自分の感情や考えを持って自分の人生を生きていて。主人公たちを輝かせるためにいるんじゃない。

他の登場人物たちの描写がとても丁寧でどの登場人物も愛おしく思います。

私は特に奈々と真子が好きですね。

 

その後、図書館で想と奈々がおしゃべりをするシーン。

7話の冒頭で紬が想に奈々と何を話したのか(6話の最後の方のカフェでの紬と奈々の会話)を聞いた時に紬は「水かけられたりしてない」って言うんだけど、同じように想が奈々に紬と何を話したのかと聞いた時に、奈々が「水をかける」ジェスチャーをしたのがおもしろかった。

奈々は紬のことをかわいく思った、想への手話のプレゼントを使いまわされたって言ったけど、今はおすそ分けした気持ちだと伝える。

気持ちを伝えようって必死になってくれる姿って

すごく愛おしい

まっすぐにその人の言葉が自分にだけ飛んでくる

手話の字幕引用:「silent」第7話

まっすぐな紬の思いに受け取る側もまっすぐな気持ちになるのかな。

 

そしてこの後の夢の話は号泣でした。

6話の奈々の夢と同じような夢を想も見ていて。

私も似たような夢見るけど 音がないから

想くんの夢の方でちゃんと声出てるならよかった

私にも想くんの声聞こえてるならよかった

手話の字幕引用:「silent」第7話

好きな人が同じような夢を見ているだけでも嬉しいのに、好きな人の夢の中で自分の夢が叶っている。

奈々の夢では想と手をつないでいるのに対して、想の夢ではお互いに荷物を持っているというのが少し切ないですけど。

それでも、奈々の想への気持ちが少し報われたような気がして、号泣してしまいました。

なんてステキな脚本なんでしょうか。生方美久さん、本当にすごい。

 

紬と想、思いが伝わる

そして最後のシーン。

高校生の頃の想の作文「言葉」を見るために想は紬の家に行く。

紬は体育館で「言葉」の作文を読んでいる想を見て恋に落ちるわけですが、恋に落ちるきっかけとなった作文を想からもらっているっていうのがすんごい。

うまく言葉にできないけど、なんかすんごい。青春っていう感じでステキだ。

紬の家で想は声を出そうとするが、紬はそれを止める。想の気持ちを尊重する。

言葉がなくても紬と想の二人の心が通い合ったシーンで、見ていて幸せな気持ちになりました。

 

 

はい。長々と書いてしまいました。

今まで描かれてきた紬と湊斗、想と奈々の関係。

第2話で春尾先生(風間俊介さん)に紬が言う「好きになれてよかった」という言葉の通りになっているんじゃないかなと思います。ステキな恋の終わらせ方だと思う。

そして、やっぱり春尾先生と奈々は知り合いでしたね。

この第7話の感想はもうすでに10話まで見てから書いているので、春尾先生と奈々の関係はもう知っているんですが、手話教室の前にいた奈々に気付いた春尾先生の表情がまたいい。

 

12月22日の最終回までになんとか8、9、10話の感想を書きたいとは思っているのですが無理かな。とにかくがんばるべ。

それでは、また。

 

 

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