こんにちは。
2023年3月27日に放送された「罠の戦争」最終回とドラマ全体の感想です。
あらすじは書いていません。ドラマを見て思ったこと、感じたことなどを書いています。
感想部分にネタバレが含まれますので、まだ視聴されていない方は読む読まないの選択をお願いします。
あらすじをお知りになりたい方は、公式サイトをご確認ください。
あと、興奮して約7000文字と無駄に長く書いてしまいましたので、目次のところから気になるところだけでも読んでもらえると嬉しいです。
最終回感想
ついに「罠の戦争」が終わってしまいました。寂しい。
まずは最終回の感想から。
最終回の怒涛の展開には少々ムチャがあると思いましたが、鷲津が元の人格を取り戻せて良かった。
鷲津の背中
ドラマのタイトルの前に鷲津亨(草彅剛さん)の白黒写真が映されますが、写真の鷲津の表情はその回のドラマの内容を表していたように思います。
最終回はどんな写真かなと心待ちにしていたら、鷲津を背中から撮った写真で。
このドラマは演者の背中を映して背中で語らせるシーンが多いなと思っていたら、最終回は鷲津の表情が見えない背中からの写真で、この写真を見て妙にテンションが上がりました。表情がわかんない、ドラマがどうなるのか予想ができない、そしてなんてかっこいい背中!と。ここだけで結構ワナワナした!
可南子、あっさり鷲津を見限る
思いのほかあっさりと可南子(井川遥さん)が離婚を切り出しました。堕ちていく鷲津をなんとかして助けようとすると思ってた。
ただ第1話で、犬飼(本田博太郎さん)から息子・泰生(白鳥晴都さん)が何者かに押されて歩道橋から転落した事件を事故だったことにしろと、でっち上げられた収賄の罪で鷲津が脅された時、犬飼の要望を受け入れるなら離婚すると可南子は言っていて。
あんなこと飲み込んじゃダメ
秘書生命は伸びてもあなたの心は死ぬ
心が死んだら体と同じ、救えない
だから、どんなリスクがあっても闘うの。二人で一緒に
可南子セリフ引用:「罠の戦争」第1話
可南子は優しさと意志の強さを持ち合わせている、強者と闘うことも厭わない闘志のある人。
同じ目的を持って一緒に闘っていた鷲津が権力に囚われ、闘う目的が今までと変わってしまった時、鷲津から離れて自分の目的のために一人で闘うことを選んだんだなと思いました。
それに、鷲津は泰生の事件の真相を知るため、また、事件を隠蔽した相手に復讐する力を得るために政治の世界に入りましたが、可南子は女性のために法を変えたいという志を持っているので、可南子の方が政治家に向いているとも思う。
あと、そもそも共働きなのに鷲津は家事を一切してなさそうだったので、それだけでもう離婚したくなるかも。
事件を乗り越えた泰生が鷲津を改心させる
可南子に離婚を切り出された鷲津は学校帰りの泰生をこっそり見に行く。
いじめている生徒を見た泰生は「やめなよ」といじめを止め、いじめられていた生徒に「ありがとう。すごいね、鷲津くん」と言われると「別に、普通でしょ」と言う。
鷲津はかつて人を注意した時に泰生に「お父さん、かっこいいじゃん」と言われて「普通だろ」と答えたことを思い出し、涙を流す。
ここのシーンは思い出すだけでも泣ける。
泰生は人を注意したことが原因で歩道橋から突き落とされるという恐ろしい経験をしていて。命を落とす可能性もあった怖い出来事。
そんな泰生がまた人を注意するのってものすごく勇気がいることだと思うんです。ドラマの中のこととはいえ、そんな泰生の勇気のある行動にめちゃくちゃ泣いてしまう。
そしてその泰生の行動が鷲津を変える。
失くすのが怖いのは家族だけ
それ以外には惜しい物なんて私にはないんですよ
鷲津セリフ引用:「罠の戦争」第6話
と鶴巻(岸部一徳さん)に言っていた鷲津。権力という魔物に囚われていた鷲津は家族を失った後にやっと本来の自分を取り戻す。
泰生のために復讐に燃えていた鷲津。復讐していくうちに権力に囚われていくが、事件を乗り越えて前をまっすぐに向いて生きている泰生によって救われる。鷹野(小澤征悦さん)の言葉も鶴巻の言葉も蛯沢(杉野遥亮さん)の言葉も届かなかったのに、泰生の言動が鷲津の心を動かした。おばちゃん号泣です。
鷲津という竹が枯れた後に雛田可南子が新しい芽を出す
鷲津は最後にでかい罠を仕掛け、鶴巻元幹事長や竜崎総理(高橋克典さん)の不正について配信で話した後に出頭する。
鷲津が議員を辞職した後の千葉15区の補欠選挙に可南子が出馬し当選、議員になり鷲津が可南子の秘書になるという展開にはびっくり。(千葉15区、ちょろいのかと少し思った…)
蛯沢が第10話で鷲津を竹に例えていましたけど、出頭する前の鷲津が蛯沢に話した竹の再生の話。
花が咲いて竹が全部枯れた後どうなるか
古い竹藪がなくなって日当たりが良くなったその土地に
新しい竹が芽を出して再生していく
より強い新しいものに
鷲津セリフ引用:「罠の戦争」最終回
「より強い新しいもの」は可南子のことを指しているのかなと。
可南子の苗字は「雛田」だし。何の鳥の雛かな。鷲かな。
離婚届を鷲津が出した後に可南子と会って話をした時、鷲津は議員を辞める覚悟をもうしていたと思います。
その時に可南子が政治の世界に入るつもりだと知り、鷲津はきっと古い竹藪が枯れた後に出る新しい芽は可南子のような政治家だと思ったんだと思う。(この時にいつか可南子の秘書になれたらと考えていたかも)
新しい芽・可南子のような人間がより強いより良い政治家として政治を担っていくという未来が、鷲津が語った竹の話に込められていたんじゃないかなと思いました。
おまけ
おまけ① 視聴者サービス 犬飼の「わしづっ」
鷲津出頭後、竜崎総理が辞任、蛭谷首相誕生(小野了さんが総理!なんだか嬉しい)、千葉15区鷲津亨の補欠選挙に元妻・雛田可南子が出馬、初当選の新聞を見ていたのがまさかの犬飼!犬飼は地元で農業をしているみたいでしたね。
そして視聴者悶絶の「わしづっ」。
最高の演出!最後に犬飼の穏やかな「わしづっ」が聞けてものすごく嬉しかったです。
おまけ② 千葉県警の鮎川
最終回で新たに出てきた生き物の名前が苗字に入っていたのは、千葉県警の鮎川。そしてその鮎川を神保悟志さんが演じるというなんとも贅沢な配役。
登場する人物の苗字に生き物の名前を探すの、とても楽しかったです。
ドラマ全体の感想
虻川、犬飼、鴨井、鶴巻、蛯沢、鷲津との対決シーンはすごかった!
鷲津との対決シーンは罠の仕掛け合い、言葉のやり取り、感情と感情のぶつけ合いなど、どの対決も見応えがありました。そしてどの対決もすごく好きなシーンです。
vs虻川はねちっこい虻川を罠にはめまくった後に怒りをぶつける鷲津がめちゃくちゃかっこよかったし、vs犬飼は罠にはまったと見せかけて罠にはめ弱い者にも守りたいものがあるんだと訴える姿がこれまたかっこよかったし、vs鴨井は「自分が一番かわいい」と受け入れた後の鴨井の目の強さがすごかったし、vs鶴巻はどんな罠を仕掛けようともあっさりとかわされて鶴巻の圧倒的な強さに痺れたし、vs蛯沢は蛯沢のまっすぐな怒りをぶつける姿に涙が出たしそれに全く動じない鷲津に怖さを感じたし。
どのシーンもすばらしかった。見応えがあった。
あとは鷲津vs竜崎の言葉のバトルも見たかったなと思いました。そこが少し残念。
最高の演技を見せて下さったすべての演者の方に感謝の拍手👏
実力者ばかりの見事な配役。
公式サイトの相関図で紹介されている演者の方ごとの感想も書いてしまいました。書きたくてたまらなくて書いただけなので読まなくても大丈夫です。もちろん読んでもらえたらめちゃくちゃ嬉しい。
草彅剛さん(鷲津亨役)
目の演技がすごかった。「鷲」という名前が入った苗字にぴったりな強い目と家族の前で見せる穏やかな目。特に好きだったのが野心に燃える目。権力の魔物に囚われた鷲津もぎらっぎらしててそれでいて冷たくてかっこよかった。
草彅さんの演技の凄さって、役柄の感情が見ているこちらにも伝染するようなエネルギーみたいなものが出ていることだと思っていて。感情がのった草彅さんの演技を見ていると自分の心の中のいろんな感情がかき乱される。
画面の中からぐごごごごって役柄の感情がこっちの心に飛び込んでくる。
「僕シリーズ」の3作品から見てきて、「戦争シリーズ」も3作品を見終えて、それぞれ違う表現を見せてくれる草彅剛さんを見ることができてとても楽しかった。
まだ戦争シリーズは続くのか、新しいシリーズが始まるのかはわかりませんが、また草彅さんをドラマで見られる日を楽しみに待ちたいと思います。
井川遥さん(鷲津可南子役※離婚後の苗字は雛田)
井川遥さんってすごいですね。ご本人の持つ柔らかさと強さが可南子の役柄にぴったりで、復讐がテーマのドラマなのに温かく優しいものを感じられたのも井川遥さんの力が大きかったと思っています。
井川遥さんがご本人役で出演されていた「拾われた男 LOST MAN FOUND」(草彅剛さんも出演されていました)を見てすごくステキな方なんだろうなと思っていたので、井川遥さんの魅力がもりもりに詰まった可南子を見られて楽しかった。
議員になった後の可南子はさらにステキだった~。
白鳥晴都さん(鷲津泰生役)
「罠の戦争」の重要な役柄、事件の被害者という難しい役を瑞々しく演じられていました。
繊細で線の細い雰囲気を持ちながら芯のある強さも持っているという印象。
きっとこれからどんどん映画にドラマに活躍されていく方だと思います。白鳥晴都さんのこれからの活躍がとても楽しみです。
杉野遥亮さん(蛯沢眞人役)
蛯沢眞人のまっすぐさ、真面目さ、かわいらしさ、そして攻撃性。
杉野遥亮さんのつくり上げた、杉野遥亮さんにしか表現できない蛯沢眞人はすごく魅力的な人物だったと思います。
特に第10話の鷲津と対峙した時の迫力、最終回の涙もすごかった。
「直ちゃんは小学三年生」や「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」、「僕の姉ちゃん」などなど、前から杉野遥亮さんの演技が好きでしたが、今回のドラマでもっと好きになりました。
小野花梨さん(蛍原梨恵役)
小野花梨さんはとにかくすごかった!!!セリフの言い方から表情からすべてがすごかった!!!小野花梨さんは声がいいし、人を惹きつける力を持っている方だと思います。
小野花梨さんを知ったのは、2011年に放送された「鈴木先生」。
このドラマには今は誰もが知っているような方々が生徒役でたくさん出演されているんですけど、小野花梨さんは、これ、子供に演じさせていいの?というような難しい役柄を演じられていて、この頃から小野花梨さんは光ってた。(正直なところ、他の生徒は土屋太鳳さんしか覚えていない…)
その後の活躍も楽しく拝見していましたが、今回のドラマでこれからもっともっと活躍されることになると思います。すごく楽しみです。
坂口涼太郎さん(貝沼永太役)
貝沼さーん!
ドラマの後半に貝沼さんの笑顔が消えてしまってとても寂しく思っていましたが、最後に鷹野の秘書になってまた笑顔いっぱいになってくれて良かった。髪型もステキだった!
貝沼さんを演じた坂口涼太郎さんのTwitterもおもしろかった。
「罠の戦争 エンディング貝沼ver.」もサイコーです!
「#罠の戦争 エンディング貝沼ver.」
— 坂口涼太郎 (@RyotaroSakaguTw) 2023年3月29日
スーパースチルカメラマン #高島一夫 さんがご厚意で制作して贈ってくださったアルバム📔📸🐚
そして #罠ダンス 踊り納め🕺🕸️
踊ってくれた方、見てくれた方、ありがとう💐#BETTING #SHINGOxSEVENTEEN@ktrsngofficial x @pledis_17jp
🕸️ @wananosensou 🐚❤️🔥 pic.twitter.com/lgiNUNIZEw
歌にダンスに演技に多彩な才能を持っていらっしゃる坂口涼太郎さん。これからも「らんまん」などたくさんの作品に出演されるようなので、また坂口涼太郎さんの演技を見られるのがとても楽しみです。
本田博太郎さん(犬飼孝介役)
「わしづっ」「わしづぅ」「わしづうううう」など、たくさんの「わしづ」を楽しませていただきました。
ドラマに最初から引き込まれたのは犬飼の存在が大きかった。緩急のあるセリフの言い回しや声の抑揚、髪を本当に抜いたりとぐぐっと引き込まれるキャラクター。鷲津の敵側の存在なのに憎めないかわいらしさがあってとても魅力的な役柄でした。
最終回で元気そうなお姿が拝見できて嬉しかった!
玉城裕規さん(犬飼俊介役)
玉城裕規さんは今回初めてドラマで拝見しました。すごく華のある方ですね。そして中谷美紀さんにものすごく似ている。
今回は犬飼の息子で問題児役でしたけど、玉城裕規さんのもっといろんな演技を見てみたいです。
田口浩正さん(虻川勝次役)
佇まいから髪型から何から何までいや~な感じが出てておもしろかったです。特に手をこすり合わせる仕草とか。虻の動きを意識されていたのかな。最高でした。
最後の方に舞い戻ってきた時は興奮しました。すぐに消えちゃったのが残念だった。
小澤征悦さん(鷹野総史役)
あんなに怪しかったのに、最後まで鷲津の味方。あんなに怪しい顔ばっかりしていたのに。騙されたー。でも良かった。鷲津より鷹野の方が友達としての二人の関係を大事にしている感じで最後はいじらしく感じました。
あと、小澤征悦さんの髪型。横の髪を後ろに流した毛先がつんと尖っていて、鷹が翼を羽ばたかせているように見えるなと思っていました。小澤征悦さんが演じる鷹野はかっこいい鷹だった!
宮澤エマさん(熊谷由貴役)
宮澤エマさん演じる熊谷記者は最初から最後までドラマの中で大活躍でしたね。鷲津が仕掛けた罠のほとんどに関わっていた。
怪しい美しさで凄く魅力的だったし、政治の闇に迫る記者役を元総理大臣の孫が演じるというのもおもしろかった。
「おちょやん」や「和田家の男たち」などでも「怪しい美女」という感じの役柄だったので、また全然違う宮澤エマさんも見てみたいです。
片平なぎささん(鴨井ゆう子役)
華やかな衣装と存在感で男性ばかりの政治家(役)の中でひときわ輝いていました。
鷲津との対決の中で一番見応えがあったのはvs鴨井ゆう子だったと思っています。すごかった!
このドラマとは全然関係ないですけど、「赤い霊柩車シリーズ」の最後の回で遂に春彦さんと結婚!と思ったんですが、ウエディングドレス姿がドラマの中でなくて。残念だな~と思い、「片平なぎさ ウエディングドレス」で画像検索したら、黒いウエディングドレスを着た片平なぎささんの写真を見つけました。美しかった…!
高橋克典さん(竜崎始役)
真っ青なネクタイが印象的でした。(と今書いて思いましたが、鶴巻元幹事長はオレンジ系のネクタイばかりでしたね。役に合わせてネクタイの色あいが決まっていたのかも。犬飼親子みたいにネクタイの色が被らないように。わからんけど)
竜崎総理と鷲津との対決シーンも見たかったんですが、なくて残念。総理と一議員じゃ無理かな。もっと竜崎総理の荒れた姿も見たかった。
高橋克典さんといえば私の中では1996年の「ピュア」と2003年ー2012年の「特命係長 只野仁」。(夫が柳沢きみおさんのマンガが好きで、特命係長のドラマもよく見ていた)
最近はお偉いさんの悪役が多めですけど、爽やかさもあって。私の中で高橋克典さんはエロ爽やか。(小声…失礼かしら…)
あと、高橋克実さんと名前がごっちゃになる。顔はごちゃにならない。
飯田基祐さん(猫田正和役)
2007年の「SP 警視庁警備部警護課第四係」から飯田基祐さんが出演されているのを見たら、絶対に何かあると思うようになりました。普通の役は似合わない。(断言)
今回の猫田役、暴れるシーンがないかな~と思っていたら、最終回でわーわー(にゃーにゃー)と騒いで暴れまわってくれて嬉しかった。
あと、いつもより肩をなで肩にしていて、歩き方とか猫を意識しているんじゃないかなと勝手に思っていましたにゃー。
岸部一徳さん(鶴巻憲一役)
このドラマをぎゅっと引き締めていたのが岸部一徳さん。
誰も太刀打ちできない圧倒的な力を持つ者の存在感。画面越しにもびりびりと伝わってきました。すごかった。
鶴巻と蛭谷(小野了さん)のやり取りのシーンは相棒を長年見ている人間にとってはありがたい限りで。お二人のシーンを見られて幸せでした。
最後に
6年ぶりの戦争シリーズ第3弾。
スピード感のあるストーリー展開と華麗な罠の仕掛け合い、ねちねちしていないリベンジエンターテインメントを存分に楽しみました。ワナワナしまくった!
このドラマに関わったすべての方に感謝します!
楽しいワナワナの時間をありがとうございました!
それでは、香取慎吾×SEVENTEEN「BETTING」でお別れです。
それでは、また。